寝る前に...
「なんで、人って存在しなくなったものをすぐ忘れてしまうんだろうね」
この前大学のキャンパスを歩いているときに、2人組の女子がこんな会話をしていました。
何週間か前に台風が来て、東京でも夜中に強い風が吹き続けた時がありましたよね。この強風の影響で、大学の食堂前の小さな木が折れて撤去されてしまったんです。
小さな木がなくなったことに、2人組の片方の女子は気付いたようだったのですが、もう片方の子はなかなか木があったことを思い出せなかったようです。
存在しなくなったものをすぐ忘れる。
私にも覚えがあります。
今年の7月に、サークルの後輩が亡くなりました。
悲しくて仕方がなく、しばらくは泣いて過ごす日々が続きました。
けれど、9月に入り、夏休みが終わり、
段々と忙しくなっていく中で、後輩の存在が少しづつ心から消えていってしまうような感じがして、怖くなりました。
朝起きれば必ず後輩のことを思いだしていたのに、次第にそれをしなくなり。
声も、顔も、動画や写真で確認しなければ鮮明に思い出せなくなり。
私は何て薄情で最低なやつなんだ、と自分を責めました。
優しくて、可愛くて、大好きな後輩だったのに。
人の記憶は完ぺきなものではありません。
きっと、どんなに頭のいい人でも、ある物事を鮮明に覚え続けることは難しいでしょう。
だから、いつか思い出せなくなる日のために、記録することで記憶をつなぎとめることが必要だと感じました。
日記を読み返せば、その後輩としたことや行った場所、かけてくれた言葉などが書いてあり、薄れてしまった記憶が少し蘇ります。
これから生きていく中で、
どんな小さなことでも、大事な人との思い出はしっかり記録して残していきたく思います。